家族のカタチ、親子のカタチ


さむーい!

この頃東京の夜は、一段と冷え込んでいます。

首まですっぽりと上着の中にしまい込み、両手はポケットの奥までねじ込んで足早に歩いていると、

通り過ぎる家々から漏れ出る柔らかい光が、ひときわ暖かそうに感じたりします。

 

夜の家

 

こんな日は、早く「おうち」に帰りたくなりますね。

 

あなたの「おうち」は、あなたにとってどんな意味を持っていますか?

 

 

 

今年に入り、新聞各紙が「家族のカタチ」というテーマで特集を組んでいることに

気付かれた方はいらっしゃるでしょうか。

 

昨年、大きな話題を呼んだ二つの最高裁の判決を受けて、

今、世の中がじわじわと動きつつあることを感じています。

今月中に、自民党内や法務省内でプロジェクトチームが立ち上がり、

家族の在り方に関する議論を本格化させることなんかが発表されたりして、

今年は「新しい家族像・元年」となりそうな気がしています。

 

 

昨年、あの最高裁判決が出されたことは、とにかく画期的でした。

その判決とは、性同一性障害で女性から男性に性別を変えた夫とその妻の間に、

第三者の精子提供を受けて生まれた子どもを、民法上の夫婦の子(嫡出子)として認めたもの。

それから、

結婚していない男女の子ども(非嫡出子)の遺産相続分を、嫡出子の半分とする法律は憲法違反だ!としたもの。

 

現代の技術によって、夫婦以外の卵子や精子の提供を受けて生まれた子どもや、

出産が難しい女性の卵子を提供し、代理出産によって生まれた子どもなどが世界的に増加していて、

その子どもたちが「一体誰の子どもなのか」という問いには、

現在、どこにも答えがない状態です。

 

ただ、今回、子どもの父親となるために最高裁まで争った男性のように、

既にそうした「新しい家族のカタチ」を実態として生きている人々はたくさんいて、

それに法的整備が全く追いついていないのが現状なのです。

 

 

 

ただ、ここでいう「家族」について考える難しさと「親子」についてのそれとは、少々区別して考える必要があるかもしれません。

なぜなら、家族について考えるとき、まず「夫婦」を考える時点で、既にそれは血の繋がりすらない他人であるからです。

それが、長年連れ添うことで愛着が湧くようになったり、似てきたりすることがあるように、

不思議な縁で導かれ、同じ屋根の下で生活するようになるのが「家族」ということなのでしょう。

 

各種新聞で展開されている「家族のカタチ」をテーマにした記事には、

シェアハウス、高齢者のグループホーム、ゲイやレズビアンのカップル、里親さんなども取り上げられています。

 

そうした血の繋がりがなく、一般的な「核家族」の概念から漏れた「家族のカタチ」については、

まず「へえ、そんなこともあるんだ!」と知ってもらい、

そして「まぁ、ありなんじゃない」と社会の中で認知が広がることを願うばかりです。

そうして家族として暮らしている人々を、否定することなんて、誰であってもできるはずがありません。

 

ただ、「親子関係を規定するものは何か」というテーマは本当に難しい。

精子と卵子、つまり遺伝子を受け継ぐものが親子関係なのか否か。

その多くは、大人が決めることであり、子どもたちはただ受け入れる他ないことが多いのです。

 

すでに養子縁組や養育里親の家庭においては、「血こそ全て」という事実が否定されているように見えます。

過ごしてきた時間こそが「親子関係」を創るのだと。

私も概ね、そのことに異論を唱えるつもりはありません。

しかし、そうした子どもたちの中にある「産みのお母さん、お父さん」に対する気持ちに触れることがままあります。

それは思慕的なものであったり、拒否的なものであったり、いろいろな感情に由来するものがありますが、

どれも特別な感情であることには間違いありません。

自分の遺伝子上の親が誰なのか、それを知ることができないとなると、

果たして子どもにどのような影響を与えるのでしょうか。

 

「戸籍」「法律」「制度」、そういったものに、どれだけ本質的な意味があるのか、

そう問うてしまえばおしまいな気もしますが、

今年は、こうした世の中の動きを追うことで、

自分なりに色んなことを考える一年にしたいと思っています。


About Mutsumi

龍庵塾でブログを担当している「むっちゃん」です。 ペンネーム:芦田むつみ コモンセンス・ペアレンティング・トレーナー


2 thoughts on “家族のカタチ、親子のカタチ

  • イブ

    「現代の技術によって、夫婦以外の卵子や精子の提供を受けて生まれた子どもや、
    出産が難しい女性の卵子を提供し、代理出産によって生まれた子どもなどが世界的に増加していて」
    「新しい家族のカタチを実態として生きている人々はたくさんいて」
    そうなんですか~知らないことばかり・・・
    嫁という立場に困ってきた私ですが・・・・家族についての概念も変化していくのでしょうね

    • Mutsumi Post author

      イブさん、コメントのお返事遅くなりました。
      私のアンテナって変わったところに立っていて、
      なんだかそんなことばっかり拾ってくるんです。笑
      そうした情報が繋がって、少しずつ、一つのチェーンのようになっていってます。

      概念の変化、歓迎すべき部分と、慎重に見極めなければならない部分がありそうですね。

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