知って得する 子育てテクニック「タイムアウト」


 

講座を受けてくださった方から、手書きのお礼ハガキが届きました。

こうした丁寧なお心遣いに触れると、心がじんわり暖かくなります。

素直に、がんばろうって気持ちになります。

そして、自分も「あたたかさ」を届ける存在になりたいと思い、

そこに愛の連鎖が生まれるように思うのです。

 

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千葉の障碍者福祉施設で、知的障害者が職員からの虐待で死亡した事件。

過去10年以上にわたり、体罰が日常的に行われていたことが明らかになりました。

 

問題は、氷山の一角である気がします。

こうした施設の一部で、体罰が当然のように受け止められてきたと

思われてしまっても無理はないところです。

 

「ニュースになる」ことで、世間は動きます。

逆に言うと、「ニュース」とは、世間の興味関心が作るもの。

虐待への関心が高まっていることは歓迎されるべきことです。

 

今、「なんとひどい!」「虐待は全面的に禁止するよう規制しろ!」と

これまでの施設の体質や行政の監督体制がバッシングを浴びています。

 

そうやって変革を起こそうとする動きも、きっと大切なこと。

 

でもやはり、最も大切なことは、

 

「じゃあ、代わりにどうしたら良いのか」を

明確に、愛をもって伝える。

それに尽きると思うのです。

 

批判されたって、仕事や立場が関係しない限り、人は動きません。

愛をもってモデルが示されたとき、そのあたたかさに心が動くのが、人間ではないでしょうか。

 

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「じゃあ、代わりにどうしたら良いのか」

 

一つの方法として、

暴力や暴言の代わりに、「タイムアウト」を活用する!ということが挙げられます。

 

 

タイムアウトの極意は簡単です。

「悪いことをした子どもに、頭を冷やす時間を与える」こと。

 

タイムアウト

 

同時に、その間、親もカッカしている感情を落ち着かせ、

無駄な感情をある程度カットした上で、親子のコミュニケーションを再開させることが可能になります。

 

これは、驚くほど簡単なテクニックながら、定着すれば、驚くべき効果を上げます。

 

 

まず、最初にすべきことは、悪さをやめなければ「タイムアウト」の罰を与えることを

家の中でしっかりとルール化することです。

たとえば母親がタイムアウトをさせているとき、

「おー、かわいそうに」と父親が子どもに構いに行ってしまえば、全く意味がなくなります。

また、「今日は疲れてるからいっか」などと言って実施しない日があるなど、

親の態度に一貫性がないと、同じく効果は上がりません。

 

やると決めたら徹底的にやる。その心構えが最も大切です。

 

そして、やると決めたらルールを作り、それを子どもに説明します。

 

効果的なのは、2歳頃から10歳頃までの子どもだと言われていますが、

タイムアウトさせる時間は、その年齢×1分間を基本とします。

その間、「階段」「台所の角」「和室」など、

おもちゃやテレビがなく、できるだけ退屈で静かなスペースを

予め「タイムアウトの場所」と決めておき、そこでジッと時間を過ごさせます。

間違っても、遊べたり寝ることができる「自分の寝る部屋」や

恐怖感を与える「暗い部屋」はいけません。

できれば、大人の目の届く範囲に「タイムアウトの場所」があるのが理想です。

 

 

時間は正確に計測します。

2歳や3歳の子どもたちにとって、2分や3分は恐ろしく長い時間です。

表示の大きいキッチンタイマーなどを利用して、

子どもが、ただ流れていく時間に1秒1秒向き合えるようにすれば、より効果的でしょう。

 

 

こうしたルールをきちんと説明し、

できれば一度練習しておきます。

 

 

その上で、実際の場面では、必ず「警告」を加えます。

感情的な高い声ではなく、

低く落ち着いた声で、

「あなたは今、弟のおもちゃを力づくで取り上げましたね」

「あなたは今、お姉さんを蹴りましたね」

と、「あなたは今、〜しましたね」と問題にしている行動を具体的に伝えます。

 

「こら!なに危ないことしてるの!」

「あ!またいい加減なことをして!」

と、こんな風に抽象的な言葉を使って怒るだけでは、親が何がいけないと思っているのか、

実は子どもには全く伝わっていません。

具体的に行動を伝えることが大切です。

 

そして、「やめないと、タイムアウトですよ」と伝えます。

いきなりタイムアウトをとることはしません。

 

 

そう警告しても、まだ子どもがその問題行動を止めなかった場合、

直ちに子どもをタイムアウトの場所まで連れて行き、

「いい?あなたは今、〜をしたね。

だからこれからタイムアウトをします。

時間は◎分。迎えにくるまで、ここで静かにしていてね」

と伝え、その場に子どもを置いていきます。

 

子どもがそこを離れたら、連れ戻し、また座らせます。

子どもが5回離れたら5回連れ戻し、

10回離れたら10回連れ戻し、

20回離れたら20回連れ戻します。

離れたら、時間は最初からやり直しです。

そこで、「静かに過ごす」ことができるまでやります。

 

ただし、抵抗し、暴れて、全く言うことを聞かない子どもを、

「無理やり」連れて行き、強制的に座らせるのでは意味がありません。

それは、子どもがタイムアウトの意味を理解できない年齢か、

感情的になって落ち着けていないから起こります。

(その場合、まずは「落ち着く」ことに焦点を当てる必要があります)

もちろん、鍵のある部屋に閉じ込めるのもいけません。

 

怒りや恐怖でなく、「ただの無為な時間」になるようにセッティングしなければ、

タイムアウトの本来の効果は全く失われてしまいます。

 

そして最も大切なことは、時間の終了を告げるとともに、

十分に「フォローアップすること」です。

どうしてタイムアウトを取ることになったか、子どもに理由を話してもらってもいいかもしれません。

そして、同じ問題が起きたら次はどうすればいいのか教えます。

最後には、場面を設定して、練習をしましょう。

「じゃあ、お母さんが弟役をやるわ。

次、弟が持っているおもちゃが欲しくなったとき、貸してって言えるように、

一回、練習してみよっか。やってみて」という風に。

そして、うまくできたら、褒めます。

 

 

タイムアウトは、「越えてはならない一線」を明確に伝えます。

これを越えたら、もう何を言ってもやってもどうしても

親はタイムアウトをやり切るのだと子どもが理解すれば、

子どもの行動が変わってきます。

そういった意味での一貫した「厳しさ」が大切です。

しかし、適切で的確なタイムアウトであれば、子どもが「傷付く」ことはありません。

ただ頭を冷やし、退屈な時間を過ごすだけです。

 

 

こうした方法は、知っていると自分自身を助けてくれることがよくあります。

 

 

基本的には、たくさん褒めて認めること、教えること、コミュニケーションをとることが重要ですが、

それでも、悪いことをした際には、ダメなことはダメだと教える必要があります。

それにも効果的かつ合理的な方法が存在します。

きっと「近道」はありませんが、「互いに無駄な労力」は減らせるんじゃないかと思います。

 

CSP講座では、ポイントを押さえ、順を追って方法論をお伝えしています。

ブログでは、講座の内容自体を伝えることはできないので、もどかしい気持ちもありますが、

伝えたいことを本旨通り伝えるには、

やはり対面講座でなければ難しいのだということを

今回のブログを書いていて、痛感しました。笑

 

講座受講が難しくても、1対1でお話をさせていただく機会も最近では増えています。

一人でも多くの親御さん、お子さん、ご家庭に笑顔が増えることを心から願っています。

 

内容を「あたたかさ」に乗せてお伝えしていくことが、私の個人的な目標です。


About Mutsumi

龍庵塾でブログを担当している「むっちゃん」です。 ペンネーム:芦田むつみ コモンセンス・ペアレンティング・トレーナー


6 thoughts on “知って得する 子育てテクニック「タイムアウト」

  • イブ

    子供が間違った行動をしても、否定したり批判したり脅迫したり、言い聞かせたりではなく
    傷つけることなく、教えることのできる方法なのですね。
    新しい良い方法を若いお母様に学んで欲しいです。

    • Mutsumi Post author

      そうなのです。そういう方法があるのだという発想を、
      まず持っていただけたら、と強く思います。
      いつもありがとうございます^^

  • まゆこ

    私は育つ過程で、抑圧•恐怖•怒りに満ちたコントロールの中でのタイムアウトしか経験した事がなく、だから自分が親になった時も、そのやり方しかわからなかったしそのやり方しかできませんでした。そしてとても恐ろしい事に、それがよい厳しさ、正しい親の務めだと思ってました。
    抑圧や恐怖や怒りのない愛情に満ちたタイムアウト、出来るママになりたいな(≧∇≦)って心の底から思えた自分と、素敵なスキルを手渡してくれたむつみさんに感謝です。
    こんなふうに時間を過ごせる家庭の中にいたら、とても穏やかで無駄な労力を消費しない空気に触れられるんだなぁとしみじみと感じました。
    少しづつ、何かがわかるようになってきた今、どんどん行動していきたいです(*^^*)
    ありがとうございます。

    • Mutsumi Post author

      まゆこさん、さすがです!
      私も師匠から、「学びは実践の中でしか起きない!」と聞かせてもらっています。
      行動あるのみ!ですよね◎ 飛躍的に学びが深まること間違いなしです。
      自分が受け止めてきたものを、正しい良いものだと解釈する力は、人間が生き抜く力でもあると思います。
      だから、まゆこさんは、精一杯生き抜いてきたサバイバーですよね。
      そして今、新たな発見をされようとしている…ほんとにすごいことだと思います。
      そうした過程を間近で一緒に歩ませてもらっていること、この上ない幸せです。

  • ひろ

    むっちやん!この間偶然奈良の某所でお会いしましたね♡Mちゃんと一緒にいたのが私です。これからどうぞよろしくお願いします。
    ブログ読んで感動しました☆

    『明確に愛を持って伝える』
    これは、私がこれからハイヤーパワーケアをもらいながら、努力していきたいと思っていたことでした。漠然としていた私の目標が、むっちゃんの文章の中に言語化されていて、あぁこれだ!って思えて本当に嬉しくなりました。あの日むっちやんに出会えたことに感謝しています。

    そして『あたたかさ』っていうのが、文中に3回出てきて、これも大事なキーワードだなぁ、って思いました。『あたたかさに乗せて伝えていく‥』を目標としているむっちゃん、人を本当に大事にしたい人なんだなぁ、って思いました。

    ブログこれからも楽しみにしています!!!

    • Mutsumi Post author

      ひろさん♪
      わあ、こないだ初めましてだった、ひろさんですね!あのあと、気になっておりました〜♪
      こうして繋がることができて嬉しいです^^
      そして、心温まるコメント、本当にありがとうございます。
      どれだけ励みになるか分かりません。
      言語化されていたとのこと…何らかのタイミングが合ったのでしょうね♪
      今度、Mさんとも奈良で一度お茶でもできたらなぁ…ってずっと考えていたので、
      タイミングが合えば、ぜひ3人でお会いしたいですね♪
      「あたたかさ」で包まれていなければ、人の心がどんなメッセージもNO!って拒否しちゃう気がするのです。
      いろんなものを飛び越えていける強さを持っているのが「あたたかさ」だって思ってます。
      まだまだですが^^ 精進します★ お付き合いいただければ嬉しいです!

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