社団法人GARDENでは依存症者本人の薬物アルコールギャンブル依存症治療施設、スタッフ関係者の研修所、依存症関連書籍出版部門、ギャンブル依存症回復施設、雇用創出PJ、アディクション研究センターを運営しています。

REBT(論理情動行動療法)

REBT(リベット)とは、アメリカの心理療法家アルバート・エリスにより50年代半ばに生み出された心理療法の1つです。人間の苦悩は、出来事そのものに原因があるのではなく、その出来事に対する受け取り方や捉え方に問題があり、その受け取り方や捉え方を変えれば感情的な痛みを回避し自滅的・破壊的行動をすることなく生きることができるとされています。REBTでは、アディクションの悩み(自分への暴力)を解消するという考えを骨子に、ABCD理論という理解しやすく簡潔な形にまとめた理論を中心に展開される心理療法プログラムです。

ABCD理論とは人間の出来事に対して最終的な感情に着目し、その過程を分析し4つの要素に展開したものです。

A Activating event(出来事)

B Belief(信念、固定観念)

C Consequence(結果)

D Dispute(論駁)

Aはきっかけとなる出来事

Bは、その出来事に対する受け取り方

Cは、その受け取り方により生まれた感情である

とされ、REBTではAの出来事は変えられないが、Bの受け取り方を変えることにより、Cの感情を変えることができ最終的な結果である行動を変えていこうとするもので、アディクションによる悪循環を断ち切ることを目的にしています。このBが非合理的で非現実的な場合をイラショナル・ビリーフと呼びます。これをラショナル(合理的)・ビリーフに変えて行くことを目的とします。その際に加えられる分析や再検討がDです。

イラショナル・ビリーフには、以下のようなものがあります。

「周囲の誰もから愛されなければいけない」

「すべての課題をきちんとこなさなければならない」

「悪いことをする人たちは必ず非難や罰を受けなければならない」

「思い通りに事が運ばないのはみじめだ」

誰かに無視されたか邪険に扱われたと感じた場合(A)、その人に嫌われていると推測してしまうことが多くあります(A’)。そして、「すべての人に愛されなければならない」というイラショナル・ビリーフを持っていれば、「自分は価値がない」と評価して(B)落ち込んでしまうわけです(C)。他の認知行動療法の場合、A’を問題視するケースが多いのですが、REBTはBを重く見るのが特徴です。そして、「全員に愛させるのは非現実で非合理的だ。別に誰かに嫌われても構わないではないか」という考え方(D)を提示するわけです。

依存症者は、自己評価が極端に低い一方で欲求不満や不快感に対する耐性も低い場合が多くみられます。また、アダルトチャイルドとして捉え方が被害的であったり、完璧主義で人や自分への期待度が高かったりする場合などにも効果的です。REBTプログラムでは、生育歴を振り返り無条件の愛を学ぶ側面も含まれています。REBTを学ぶことにより、入所者は、これまでとは違う角度で自分を見る事が可能になり、より自由に生きることができるようになります。

Healing Gardenデイケアセンターでは、このREBTをプログラムに取り入れ、回復プログラムとして、よりGARDENの現状に即した形に翻案したNREBETを開発しプログラムとして実施しています。

エリス氏は、このREBTは他の様々な心理療法との親和性が非常に高い、したがって自分でREBTも含めた治療のベストミックスを作り上げて欲しいとのメッセージを残しています。GARDENのプログラムにおいては、REBTで得られる「新たな見方」が、12ステップの過去・日々の棚卸しで自分の考えや行いを見つめる際や、エンカウンターグループでその人の問題に仲間からフィードバックが提供される際に、極めて大きなシナジーを生み出しています。